今回は、Pantsula(パンツーラ)を踊りたい人、習ってくれてる人向けの内容。
アフリカンダンスはリズムを動きで表現する
アフリカンダンス全般にとって、リズムを表現するというのはとても大切だ。リズムに合わせて体をちゃんとコントロールできていれば、体が音を出しているように見える。演奏の一部になれるし、なんなら太鼓以上にリズムを表現したるぐらいのつもりで、音に乗るというより音を鳴らすぐらいのつもりで踊るのがアフリカンダンスだと思う。
パンツーラは欲張りなダンス
パンツーラの特徴は、実際に音を大きく鳴らして踊るところだ。僕の習った先生たちのリズム表現欲は半端なくて、足では飽き足らず、手拍子・口笛・要所での掛け声など、生身でも出せる音を使いまくって踊る。まさに全身楽器だなと思った。
ダンスだから、見て面白い感じに踊りたい。でも、音を出してリズムを直接作ることもしたい!そういう欲張りな、ある種けしからんダンスがパンツーラなのだ。
周りの目を気にしないダンスだとか書いてきたけど、クラブのフロアとかで踊るのには、音と振動が周りの迷惑になるから、実際は結構気を使う。笑
パンツーラ上達のコツ
リズムを作るということは、音のフレーズを作るということ。太鼓の一音一音を表現するようなその動きは、細かくて繰り返しが少ないので、まず理解して追っていくこと、動きを覚えることから難しい。「適当でもいいからまずはやってみる」という体当たりアプローチがしにくいのだ。「いつ」「何を」してるのか分からなさ過ぎるから。
そんなパンツーラを効率よく習得するのに、必須のコツがある。それが口太鼓という技術だ。
口太鼓とは?
西アフリカの太鼓音楽(マンデの音楽)をやっている人はみんな、太鼓を教わるときに口太鼓を使った経験があると思う。例えばジェンベを叩くときは、右手と左手を使って、それぞれ数種類の違う動きを組み合わせないといけない。だから、いきなり先生のお手本のとおりにやろうとしても
・そのリズムを理解する
・実際に手を動かして叩けるようにする
の2つを同時にしないといけないので、混乱してしまうこともある。
そこで役立つのが口太鼓。先生から、リズムを口で言うとどうなるのか教えてもらう。
「タタトタタタ」みたいな、同じ音が連続するときも、「カタキカタカ」であれば覚えやすいし言いやすい。
「カカットトカッ」であれば、マリで習うときの口太鼓は「ザラッペレパン」。
「キキキキキキキキキ…」というベルの音も、口太鼓にかかれば「ギジャギジャギジャギジャ…..」になる。
なんか3つとも、前者も一応口太鼓だから分かりにくいな。笑
とにかく、後ろの方がほんとに覚えやすいんだよ。音の高さも口なら自由自在だから、実際の通りのフレーズが表現できる。そして何より、面白いのでテンションがあがる!
まずは口で言えるようになって、叩きたいフレーズの感じ、詳細、全貌をつかむ。それができたら、歌いながら叩いてみて、慣れたら手だけで叩いてみる。というやり方で学んでいくと、吸収がとても速くなってオススメだ。口でうまく言えれば言えるほど、太鼓も上手くなる。
パンツーラでも口太鼓!
これがパンツーラを習うときにもとても役に立つ。
口太鼓なら、あるコレオ(一連のダンスの振り付け)の導入はこんな具合に表現できる。
ツントトト テテカテテカ ンテグタット タトトトト パパダ ツッ パテテテパ ンエトツトテテタ…
動きをまねるときに、動きごとの音「ツントトト」「テテカテテカ」と一緒にやる。頭の中じゃなくて、実際に口に出すことが大事だ。口で言っている通りに、体はリズムをなぞろうとしてくれる。
しかも、同じアフリカだからか、パンツーラも口太鼓と相性がいい。
・裏に強拍を持ってくるところ
・拍を無視してフレーズを始めてしまうところ
・できる限りのエネルギーでぶつかる感じ
など、マンデの音楽とそっくりだと思う。口で言ってリズムを理解して、歌いながら動きを当てはめていけば、面白くて気持ちがいいので、すぐできるようになる。
クラスでもしっかり使ってます↓
ちなみに、新しい動きの組み合わせを作りたいときも、口太鼓が役に立つ。例えば、つま先で地面を打つ動きを「ピ」、前に蹴りだす動きを「カ」にすると決めれば、「ピカピカーピッピカピピピカカッピ…」みたいに適当にピカチュウのセリフを作ってからその通りに動くことで、意外とクリエイティブなソロが生まれたりするのだ。予想外の動きが生まれて面白いので、ぜひある程度踊れるようになったらチャレンジしてほしい。
まとめ
口太鼓をしよう。いやむしろ、太鼓を叩いてみよう。
そしたらパンツーラが…というか、ダンス全般がぐっと上手くなると思う。たぶん!
↓アラカリさんという方が口太鼓について詳しく書いているので、よければ読んでみて!
アラカリのこんなの出ました