今年の夏のイベント、Yebo! Afro Party と MOJADA5。
今まででも一番ぐらいに楽しかった思い出だが、同時に反省も多い経験となった。
そのメモとして振り返り記事を書いておこうと思う。
目次
今年の計画
去年の暮れにMOJADA4を無事開催して思ったことは「イベントをもっとたくさんやりたい」だった。
大規模イベントはもともと最近は少なかったが、小規模なイベントまでコロナ禍のせいで少なくなっている。
自分のやりたいことは「心置きなく踊れて音楽を楽しめる場を作る」
それも、年に一回だけじゃなく何回もやりたい。
そう思ったとき、自然に「野外」という選択肢が出てきた。
三密を避けた野外であれば、感染の不安も少ないからたくさんの人で楽しめるんじゃないか。
さらに、夏であれば一般的にウイルスは活発でなくなるから、感染者が減っているはずだ。
懸念は天気。台風だけは避けたいのでなるべく梅雨明け直後を狙おう。
こういった経緯で、時期を限定し野外会場での複数イベント開催に向け動いた。
問題が多発
・・・が、しかし。
企画が進むにつれて、この計画の厳しさを実感していくことになる。
①集中させすぎ問題
まず、時期を限定したことで過密スケジュールになった。
良い野外会場は数が少なく倍率も高いので、そこに梅雨明け・複数イベントという条件を加えた結果、7/31と8/8、ほぼ一週間おきに開催しなければならなくなったのだ。
決まった時点では「何とかなるでしょ♪」と気楽に考えていたが、時期が迫るほど忙しさは増していくため、自分の首をしめることとなる…
②内容膨れすぎ問題
そして企画内容についても、野外会場であることが影響してきた。
野外会場はスペースが広いため、それに見合った規模にしてお客さんが楽しめるようにしなきゃ…というふうに内容も膨らんでいき、出店者などこれまではいなかった関係者とのやりとりも増え、もともと小規模を志向していたことも忘れ、関係者多数の大きなイベントになった。
内容的には詰め込めば詰め込むほど楽しくなっていいので問題ないんだけど、①のスケジュール問題と相まって鬼のような忙しさになったのは反省点だ。
野外イベントを1週間おきにやるとか、ダメ絶対。
③野外ならではの経費が多いよ問題
そして、経費的に大きかったのが自前要素だ。野外会場というのは、ライブハウス等の箱と違い環境を自分で整える必要がある。
音響機材、音響スタッフさん、配信業者、お客さんや出店者さんを直射日光から守るテント。
外注には罠があって、HPで見た値段は結構安めなんだけど、人件費や配送費がプラスされると実際の見積もりは予定よりはるかに高額になることがある。このことは、今回学んだことの中でベスト3には入るだろう。
特にMOJADA5の方はたくさんテント(屋根だけのやつ)を発注したが、経費はともかく、テントを建てる手間があんなにかかるとは…
「テント設営は段取りが命」というのも、今回学んだことベスト3に入る。
④配信のトラブル問題
コロナ禍でも売り上げを上げるために重要性の高まった配信だが、今回は野外会場のため、業者を自分たちで決めたり、知り合いをスタッフとして撮影してもらい、販売もBASEを使って自前で行った。
そうまでして行った配信だったが、特に音質の面で様々なトラブル※があり、修正のためアーカイブ販売にかなり手間を要し、売り時を逃してしまった。終わったイベントのアーカイブを売るというのは精神的にもかなりキツイものがあり、時間が空くとどんどんやりづらくなっていくのである。
※音質トラブルについて、配信業者や手伝ってくれたスタッフの過失といったものではなく、いずれもこちらで事前確認することで今後は防げそうなものだった
⑤コロナ想定外に増えすぎ問題
それに加えて、夏なら勢いを失うと思っていたコロナウイルスについても目論見が外れた。
宣伝に攻勢をかけるべき時期、イベント1ヵ月前ぐらいから急激に関東の感染者数が増えていき、「ぜひ来てくれ」だなんてとてもじゃないが言いにくい雰囲気がどんどんできていく。緊急事態宣言まで出てしまい、忙しすぎてただでさえないがしろになっていた宣伝の勢いに大きく影響してしまった。
野外会場は都心からの便もよくない。結果的に、人でごった返すようなことはなく、クラスターを生むような環境でなかったことは不幸中の幸いと言えるかもしれない。
⑥台風きちゃったよ問題
ダメ押しに、モジャダ5の方は「これだけはやめて」と言いたくなるような事態に見舞われた。台風だ。
梅雨明けを狙ったつもりだったが、想定より何週間も早く梅雨が明け、台風が早めに来てしまったようだった。
野外という事で今まで以上にフェス感を出して、会場近辺に何百枚ものフライヤーのポスティングをしてもらっていたが、それも無駄となってしまい、想定を大きく下回る集客となった。
その結果起こったこと
大小様々な問題のおかげで、労力は天井知らずとなり、ただでさえ雰囲気的にやりづらかった宣伝活動が割を食い、おざなりに。
そしてもう一つ、大きな反省がある。
僕は一人で企画しているので、イベント費用の赤は基本的にはすべて自分の持ち出しとなる。それにも関わらずこれだけ大きな挑戦ができたのは、実は今回は会社の副業支援制度が背中を押してくれたためだ。
ただ、その制度の金銭援助を見込んでもなお背伸びし過ぎた経費規模だったことと、コロナや台風も相まって赤字も今までと桁違いとなった。
そんなことは想定の上…でなければ本当はいけないのだが、自分の労力的な負担が多すぎたこともあって、今回は周りの人の暗黙の協力のようなものに期待し過ぎてしまった。
その結果、思うように動いてもらえなかった関係者の一人に不満をぶつけてしまったのだ。
詳しくは書かないが、猛烈に反省すべき出来事だった。
学んだことは以下の3つ。
①最悪も想定しながら、自分の金銭的、時間的、精神的なキャパシティー内に負担や労力が収まるように計画しよう
②べき論を押し付けない、相手の事情を理解する努力をしよう
③仕事を分担できる運営母体をちゃんと作ろう
得たもの
失敗についてばかり書いてしまったが、実はトータルでは後悔はほとんどしていない。
イベント当日の雰囲気がめちゃくちゃ良くて、色々差っ引いても満足感が勝っているからだ。
YeboPaは集客75人以上とコロナ禍の山奥イベントにしては大健闘し、最高の出演者と会場の良さも相まって、思っていたよりずっと楽しい一日となった。モジャダの方も台風なのに50人も来てくれて、トリのアニチェでは会場全体を巻き込んで大変な盛り上がりだった。
野外イベントを開催するのは初めてだったが、自然が緊張感を吸い取ってくれるのか、みんな力の抜けた、それこそ自然な感じで楽しんでもらえた気がする。
挑戦が大きければ大きいほど、失敗もたくさんするし得るものも大きい。学びを役立てながら、今後もイベント企画を続けていきたいと思えた夏だった。