アフリカというか海外あるあるかもしれないけど、慣れてしまったら目的(太鼓とダンス)以外やることがなくてすごく暇になることがある。現地の人と関わるのも、散歩も、ぼーっとするのも飽きて、とにかく日本語に触れたくてしょうがなくなる。
ということを10年前の滞在では思い知ったので、一昨年のアフリカ半年滞在には推理小説をアホほど持って行った。
全部で20冊。Kindleも持ってたけど、なんとなくパラパラめくりたいなと思ったので。
で、まあ適当に選んだというのもあったんだけど、駄作から傑作まで色々だったので、レビューしたら楽しかろうと思っていた。
ということでやってみます。10点満点。
ではどうぞ~
目次
- 1 眠りの牢獄 – 浦賀 和宏
- 2 重力ピエロ – 井坂幸太郎
- 3 マリオネットの罠 – 赤川次郎
- 4 折れた竜骨 – 米澤 穂信
- 5 儚い羊たちの祝宴 – 米澤 穂信
- 6 神様ゲーム – 麻耶 雄嵩
- 7 人形はなぜ殺される – 高木 彬光
- 8 旅のラゴス – 筒井 康隆
- 9 ロートレック荘事件 – 筒井 康隆
- 10 丸田町ルヴォワール – 円居 挽
- 11 そして扉が閉ざされた – 岡嶋 二人
- 12 クラインの壺 – 岡嶋 二人
- 13 七回死んだ男 – 西澤 保彦
- 14 殺しの双曲線 – 西村京太郎
- 15 聖母 – 秋吉 理香子
- 16 星降り山荘の殺人 – 倉知 淳
- 17 眼球堂の殺人 – 周木 律
- 18 秘密 – 東野圭吾
- 19 悪意 – 東野圭吾
- 20 赤い指 – 東野圭吾
- 21 まとめ
眠りの牢獄 – 浦賀 和宏
0点。
まず文体が受け入れられなくて、内容に没入できない。内容も薄くて、終始「どうでもいい…」と思いながら読んでた気がする。読み終わってすぐ捨てた。
重力ピエロ – 井坂幸太郎
3点。
構成や設定のオシャレさ奇抜さを重視しすぎて鼻につくし、ご都合主義。お父さんの最後のセリフはちょっと良かった。
マリオネットの罠 – 赤川次郎
1点。
無味無臭。退屈だった。
折れた竜骨 – 米澤 穂信
7点。
魔法とかが出てきて推理小説感はあまりないんだけど、トリックに説得力と意外性があった。何より物語として生きてる感じがあったのがよかった。
儚い羊たちの祝宴 – 米澤 穂信
8点。
「お嬢様と使用人」というテーマの短編集で、すべて最後の1ページに素晴らしい余韻を残している。
推理小説としてそこまでカタルシスがある感じではないけど、とても雰囲気がいい!米澤さんファンになりそう。
神様ゲーム – 麻耶 雄嵩
7点。
最後は真相を明らかにせず、読者に判断させるようなやり方なんだけど、考察サイトを読み漁ってしまった。誰が犯人だとしても背筋が寒くなる。
人形はなぜ殺される – 高木 彬光
3点。
人形が殺される(破壊される)事件が3つ起こる。
人形が殺される理由がキモです!というアナウンスがあって、しかも「読者諸君への挑戦」とか盛り上げてくるので、それを期待して読むんだけど、結果的に人形が殺される意味があったのは2件目の事件だけ。嘘でしょ。全部の事件に人形が殺される理由あってくれよ。アナウンス詐欺。
旅のラゴス – 筒井 康隆
3点。推理小説と間違えたけど普通の小説だった。つかみどころのない話だった。
ロートレック荘事件 – 筒井 康隆
4点。
活字で全部想像させることを逆手に取ったトリック…というたまにある形なんだけど、面白さにあまりつながってないと思う。
丸田町ルヴォワール – 円居 挽
2点。
無駄に凝ったやりとりと描写が多くて疲れる(作者はそこに価値を置いてるからめっちゃぶっ込んで来るやつ)。キャラが先行し過ぎて話にも深みがない。ハマる人はハマるのかな。
そして扉が閉ざされた – 岡嶋 二人
9点。
ラストパートで単純な真相が一つ判明するだけで、登場人物それぞれの挙動の理由が一気に明らかになる。とても気持ち良かったし、驚かされた。
クラインの壺 – 岡嶋 二人
3点。
全体的にモヤモヤした。ここまでが現実でここから夢でした~みたいなトリックは見返すのがめんどくさいのでやめてほしい。
七回死んだ男 – 西澤 保彦
8点。
同じ1日を9回繰り返すことのできる男が、ある事件を防ぐために奮闘する話。
エンタメに徹しており、楽しむことに集中できる。どんでん返しも予想外で面白かった。
殺しの双曲線 – 西村京太郎
2点。
作者渾身の入れ替えトリック…!みたいなやつが全てだったと思うんだけど、ハマらなかった。そこに至るまでも長くて退屈。
聖母 – 秋吉 理香子
3点。
常識・思い込みを利用して、「〇〇が××だとは1回も書いてませ~ん」みたいな感じでどんでん返ししてくるやつ。たまにあるんだけど、この作品のやり方はちょっと無理があった。イラっとした。
星降り山荘の殺人 – 倉知 淳
3点。
価値観、小物、文体が全体的に古臭くて、推理小説としてもあまり面白くない。
でも、楽しませようと一生懸命やってる感じが伝わってきて、そこは好感が持てた。笑
眼球堂の殺人 – 周木 律
4点。
(殺人のための)いろんな仕掛けのある建物が主役。死に方も不可解なものが多くて映画映えとかしそう。
ただ、とにかく建物のアイデアを見せたかったんだなって感じで、雰囲気が無機質なのが残念だった。物語とか人も頑張ってほしい。
秘密 – 東野圭吾
6点。
推理小説ではなかったけど、面白かった。最後に明かされる真意が切ない。
悪意 – 東野圭吾
4点。
犯人の悪意がどれだけえげつないものであるか、というのを語るための話なんだけど、そこまで説得力がなかった。しょぼい犯人やな、って印象。
赤い指 – 東野圭吾
7点。
こっちの方が「悪意」っていうタイトルにふさわしいのでは?犯行も隠ぺいの仕方も最悪。犯人の追い詰められていく様子が手に汗握る。
まとめ
駄作は駄作で、なんでこんなに面白くないのかっていうのを偉そうにレビューするのは楽しかったので元は取れた気分。
6点以上のやつはオススメ。
以上!