子供と一緒に読みたいオススメ絵本リスト1


最近友達に子供がうまれ、絵本をプレゼントしてきた。

そのとき「絵本ってたくさんあるからどれを選んだらいいか迷う」といった話を聞いた。
本屋を思い浮かべると、確かに選ぶのはしんどそうだ。
一冊完結で薄いぶん、棚あたりの種類は漫画に比べて多すぎる。
下手に中身を見られるぶん、まともに調べようと思ったら時間がいくらあっても足りない。

自分に子供が出来たらどうするだろうか、と考えると、
まずやることは
“自分が小さい頃に読んで面白かったものを揃える”
だと思った。
友達と遊ぶのが苦手だった幼・少年期、絵本で心の隙間を埋めていたので、いい絵本の脳内ストックにはちょっと自信がある。

ちなみに、僕の考える良い絵本の条件は「エンタメしていること」のようだ。
・ハラハラドキドキからのホッ
・不気味な雰囲気
・にぎやかな言い回し
・アッと驚くサプライズ
・ワクワクと心の踊る絵
・痛快なストーリー
・食べ物がうまそう
なんでもいいが、子供を惹きつける魅力があること。

そのような基準で、今回から数記事、もじゃ的良作を紹介してみる。
絵本好きなのもあって、気に入った絵本を思い出す作業はとても楽しかった。
何を買うか迷っている人に参考にしてもらえればと思う。

なお、絵本の画像からはアマゾンに飛ぶようにしてあるが、今回の作業でいいネット絵本書店が見つかった。
おひさま堂である。
適当に選んでもハズレがなさそうなので、表紙買いするならおひさま堂がいいと思う!
安いし。

では、スタート!

■ゆかいなかえる

4匹のカエルが仲良く遊ぶ話。
自分たち以外全員の卵が捕食される場面から始まり、全編にわたって捕食動物から逃げるシーンが多めだが、楽しく描かれていて痛ましい感じはない。
長い手足を使った様々なポーズが楽しい。
トンボの卵を蓮の葉に載せて食べているところが心に残っている。

■おだんごぱん

厳しい環境であろうロシアの民謡らしい(?)ひもじい導入がツボ。
やっとのことで焼いた一個のパンが意志を持ち逃亡する話。
自分を食べようとする相手に出会うたび、パンがムカつく歌を歌う。
パン憎しの気持ちが高まった後に訪れる、予定調和なオチのアッサリ感がよい。
字が多い。

■もぐらとずぼん

もぐらが色んな友達の力を借りながらずぼんを作る話。
布の元となる糸から作ろうとする、もぐらのバイタリティーが素晴らしい。
糸も布もなんだか魅力を放っていて愛おしい。

■もぐらとじどうしゃ

欲しいものは自分で作るもぐらシリーズ第二段。
今回は車を作るが、前回と同様に一から作ろうとした結果、まったく動かないポンコツができてしまうという一山がある。
この「動かない車」のクオリティが絶妙にひどく、たまらない。
落ち込むものの、それでも諦めずに、壊れたゼンマイ仕掛けの車を修理するという別解にたどり着く。
出来上がった車に乗って嬉しそうなもぐらの姿がまぶしい。

■かえるのトンネル

かえるたちの目指す池は、車がひっきりなしに通る道路の向こうにある。
よし、トンネルを掘って池を目指そう!という話。
かえるたちのキャラと表情が豊かで、漫画に似た楽しさがある。
穴を掘っている最中の、地中の引きの断面図は魂の震える神挿し絵。

■おちゃのじかんにきたとら

一人で留守番中の女の子の家をトラが訪れる話。
トラは家にあるものを食べ尽くしてしまうのだが、その描かれ方が淡々としていてシュール。
水道の水も”飲み尽くしてしまいました”の一言と蛇口を舐めるトラの絵で済まされてしまうので、想像が膨らんで楽しい。
個人的にはトラが帰った後の話運びがシュールの真骨頂。
大人ならツッコまずにいられないと思う。
ぜひ一読を。

■こすずめのぼうけん

とてもかわいいこすずめがかわいそうな目に合う話。
・自業自得
・世間が冷たい
・肉体疲労
の三重苦で、子供心にも読んでいてつらくなってくる。
単純な構成で大きく感情を揺さぶってくる名作。
表紙のインパクトが抜群。

■パンのかけらとちいさなあくま

小さな悪魔が、貧しいきこりのパンを盗んだことを反省し、全力で償いをする話。
悪魔の善行のスケールが大きく、痛快。
最後に「これで許してくれますか」と心配げに問う悪魔と、
「あたりまえだろう」と返すきこりのやりとりで目頭が熱くなる。
こすずめのぼうけんと同じ絵の人。

■てんのくぎをうちにいった はりっこ

天が大釜の蓋のようなたわんだ鉄板で、一点で打ち付けられた釘(北極星)によって支えられている
というファンタジックな世界でのお話。
その釘がある日ゆるんでしまったので、勇気のあるハリネズミが元通りに打ち付けに行く。
小さなハリネズミの、全身で困難に立ち向かっていく姿が超可愛く超かっこいい。
こすずめのぼうけんと同じ絵の人。

■なにをたべてきたの?

豚が食べたものが外から色で見えるという仕組みで、子供心をガッチリ掴んで離さない。
そこそこ写実的な絵柄なのに、メロンやぶどうなど、丸呑みは厳しいと思われる食べ物を美味しそうに丸呑みしていく様子が丁寧に描かれていてファンタジー。

■おおきなおおきな おいも

紙に書いた大きなさつまいもを相手に、園児たちの想像力が爆発する。
旅客機ぐらいあるさつまいもを掘り出し、持って帰り、遊び、調理して食べて、また遊んで・・・
現実に戻ってこないまま終わるという珍しいタイプ。
園児の造形が実にテキトーで、さつまいもの鮮やかな紫が映える。

■ふしぎなたけのこ

異常な速さで伸びるタケノコ。その先につかまった”たろ”の運命は?
山⇒空⇒海とダイナミックに舞台が変わり、地味な表紙なのに読んでみるととても爽快。
海を初めて見るたろたちの反応が楽しい。

■しずくのぼうけん

よくしゃべるしずくの冒険の話。
水の動きに身を任せている様子がそのまま冒険となるのが面白い。
海外の絵本独特のナレーションやセリフ、雲がやけに悪そうな顔をしているところや、つららになる絵面など
愉快なセンスで楽しませてくれる。

■ぼくのへやにうみがある

この題名を聞いて、僕の部屋に「どんなふうに」海があるのか想像してほしい。
きっとそれをいい意味で裏切ってくれる。
部屋があっての海、そして僕がいる。
想像したものを絵で表すことの素晴らしさを感じさせてくれる傑作。

■番ねずみのヤカちゃん

絵本というより児童書だが、エンタメ性が高いので紹介する。
うまれつきとても声の大きいネズミのヤカちゃんが、人間にとっての害獣から「番ねずみ」へと成り上がる物語。
前半と後半での待遇の変化、小さなねずみが声だけで狼藉者を撃退する様子など実に痛快。

■どろんこあそび

作者は野菜の絵本ばっかり描いている筋金入りの野菜好きである。
野菜のリアルを損なわない絶妙な顔・手足の表現、
緻密に描かれる泥(特に乾いたところ)。
泥まみれの野菜を見ていてここまで面白く思えるのは、作者の野菜愛が伝わってくるからだろう。

■だいくとおにろく

鬼の名前を当てれば勝ち、負ければ目玉を取られる、という一風変わった戦いが展開される。
大人になってから読むと「鬼がかわいそう」という感想しかないが、こどものときは全くそう感じなかった。
筋の通らない展開が不思議と魅力的な作品。

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