子供と一緒に読みたいオススメ絵本リスト3


絵本紹介第3段!
今回で一区切り。
なんとなく後回しにした作品たちなので、ひと癖あるものが多かった。

■あひるのバーバちゃん

アヒルが買い物してピクニックに行くだけ、絵も大人しいのに、強力な魅力がある。
とにかく、買うものが美味しそうなのと、食べ物がポケットまでパンパンに詰め込まれたリュックのビジュアルもたまらない。
表現が過剰じゃないからリアルに感じられるのかもしれない。

■ありこのおつかい

大人しそうな表紙だが、一冊まるまる食物連鎖の話。
食べられた動物が腹の中から罵倒したり、その横に描かれる食物連鎖の表現が非常に抽象的だったりと、パンク&実験的で面白い。
ストーリーも天丼が効いていてとても笑える。

■タコのバス

今まで紹介した中で一番シュールな絵本。
タコによるバスジャック、という発想も異様なのだけど、それ以上に絵面がバカげている。
脳を揺さぶるポンチな世界観とリズム命のナレーションがクセになる。
考えるな、感じろ!

■わたしのワンピース

周りの風景と同じ柄に変わる魔法のワンピースの話。
実在するものが模様になると、なぜこんなにワクワクするのだろう?
絵がかなりの脱力系で、大人になってみるとそこも面白い。
きっと子供がとても見やすい絵なんだと思う。

■ジャリおじさん

語尾に”じゃり”を付けるジャリおじさんが、ひたすら道を歩いていく。
ストーリーはマイペースで淡々としているが、絵が子供の落書きのように大胆でパワフル。
終盤で出てくる「青い神」はとてつもなくおどろおどろしいのに、気づかれずスルーされたりしてシュールの極み。
色んな人に読ませて感想を聞きたい絵本。

■くろいとんかち

叩いたものが影のように真っ暗に染まってしまうとんかちを物置で見つけたようた君。
大人がいない間に家のものを叩いてまわって遊ぶが、やがて間違えて自分を叩いてしまい・・・
墨汁で描いたようなベタ塗りと、ブラシで極小の色の粒を散らしたような画風が相まって、ただならない雰囲気を醸し出している。
劣化すると魅力がどんどん増すので、中古でも気にせず買おう。

■めっきらもっきら どおんどん

自分が歌ったでたらめな歌がきっかけで神隠しに遭ったかんたが、異世界で三匹の妖怪と遊ぶ話。
この妖怪たちがみんな友好的で、子供みたいに遊びたがり。
スピード感のある絵も手伝って、とても楽しそう。
後半に出てくる「餅のなる木」の餅を食べるシーンはリアルに垂涎もの。

■みどりいろのたね

えんどう豆に囲まれた真ん中のやつは、なぜか一緒に埋められてしまったメロン味の飴玉である。
豆も飴も表情豊かでよくしゃべる。
子どもなら目が離せないであろう展開があり、オチもしっかりと楽しい。
安定したウケが見込める絵本。

■どろんここぶた

泥の中に浸かるのが大好きなこぶたは、ある日飼い主の庭掃除によってお気に入りの泥だまりを失ってしまい、怒りのあまり泥を求めて家出してしまう。
こぶたが怒ったり困ったり、幸せそうに泥に沈む様子が愛くるしい。
最後は全て元通りになってほっこり。

■こぎつねコンとこだぬきポン

前提や話が長くて入り組んでいるのであらすじは割愛。
とにかく話が面白い!絵もかわいい!
大人同士の偏見を解いていくピュアな子どもたちの描写、ロミジュリ的な禁断の友達関係、アウェーでの思いがけない活躍・・・
後味すっきり、読み応えたっぷりの大作。

■はろるどのふしぎなぼうけん

むらさきのクレヨンで自分で描いた絵の世界を冒険する話。
主人公のはろるどはピンチになると、手に持ったクレヨンでその場でアイデアを形にして切り抜けてしまう。
リアルタイムで話が作られているかのようなライブ感が良い。
絵がはっきりしていて、とても読みやすい。

■王さまと九人のきょうだい

それぞれ異なる能力を持って生まれた9つ子の兄弟が、その力で意地悪な王様をぎゃふんと言わせるという話。
王様の出すお題に見合った兄弟がその都度派遣され、個性的な超人パワーで圧倒する。
民話らしく、スケールが大きくて愉快。

■ヒッコリーのきのみ

ヒッコリーという主食の木の実との付き合い方をリスが子供にレクチャーする話。
虫食い木のみの見分け方や冬をどうしのぐかなど、科学的でためになる。
虫食いシーンでの擬音は声に出して読みたい。

■さっちゃんのまほうのて

片手の指がないさっちゃんが、自分の障害を初めてネガティブに意識する出来事を描いた絵本。
友達の言葉で傷ついたさっちゃんの、お母さんに対する切実な問いに心が苦しくなる。
どうして自分には指がないのか?いつか生えてくるのか?
お母さんは事実を語ったあと、「この手でいい、大事なさっちゃんの手だ」と伝える。
「まほうのて」というのはお父さんの言葉だ。
受け入れがたい「ありのまま」に対峙するさっちゃんから、ほとばしるような生命力が伝わってくる。
考えさせられるとともに生きる気力も湧いてくる傑作。

■ジェインのもうふ

ジェインの宝物は小さな頃から愛用している毛布。その毛布との最後のお別れまでを描いている。
自分はどんどん大きくなるのに、毛布は擦り切れて小さくなっていくという描写がたまらなく切ない。
共感性の高い絵本。

■ちいさいねずみ

月をチーズだと思って追いかけるねずみの話。
月には辿りつけないが幸せには辿りつける。
セリフも絵も素朴で優しく、じんわりと心温まる作品。

■トビウオのぼうやはびょうきです

水爆実験による悲劇を描いた絵本。
直接的な爆発の描写はないが、その後の不安がこトビウオの家族を軸に容赦なく描かれている。
流れてくる魚の死体、帰ってこないトビウオの父親、原因不明の病気で衰弱していくトビウオのぼうや・・・
「誰がトビウオのぼうやを治してくれるのでしょうか?」で話が終わってしまうので、子どもの質問攻めを覚悟した方がいいかもしれない。

■ふわふわふとん

虫たちが冬のあまりの寒さに冬眠から起きてしまい、寒さを乗り切るために綿毛のつまったガガイモの種を探しに行く。
極寒の探検を終えて無事に種が寝床に到着し、綿毛がみんなに行きわたったときの安心感が格別。
あったかくして寝ることの幸せを感じられる絵本。

以上!
もしかしたら第4弾書くかも。

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