こんにちは。もじゃです。
前回の記事では、僕が最初に企画した、アフリカングルーヴ(アフグル)によるグループワークのことを書きました。
ワークの内容として表向きに学ぶのは、その内容。
そのグループワークで言えば、
ドラマーであればスヌやカダンを練習するネタと知識
ダンサーであればカダン、マラカ、サンジャの振りに関するネタ
です。
しかし、
僕にとって思ってもみなかった成果がありました。
それは、ドラマーとしての大きな目標を再認識したこと。
それに貢献したのは、「武田ヒロユキさんというドラマーへのダンサー目線フィードバックを得たコト」でした。
これは、グループワークを企画していなかったらたぶん得られなかった。
そのことを今回は話します。
普段通りのクラスを体験!グループワーク一日目
2015年2月に行われたそのグループワーク。
一日目はアフグルのご厚意で、普段通りの土曜日夜のクラスの時間を使わせていただけることになりました。
通常クラスの時間を長めにして、リズムをこちらで指定させていただくという形での、オープンタリベクラスが実現しました。
この形で良かったのは、タリベがアフグルのクラスに混ぜてもらう形になることで、普段通りのクラスを体験することできたということ。
それは、マリさんにまず振りを習い、その後でアフグルのドラマーの演奏に合わせて、ラインでダンスの実践練習をするという形。
ラインとは?
“ライン”はダンスクラス用語です。
部屋の端っこから1人から数人で順番に進みながらダンスを踊ることです。
アフグルのクラスではスタート地点は常にドラマーの反対側。
踊りながらドラマーの前まで進んで、また後ろに戻ります。
こうすることで、前の人を参考にしつつ踊り慣れていった上で、自分が一番前まで来たら自動的にドラマーの前で疑似的にソロダンスをする練習となります。
クラス後半になると一振り一振りをつなげてある程度の長さのダンスを踊る練習をします。
これはコンビネーションと呼ばれ、ラインのように途切れない列での練習ではなく、1人から数人ずつのグループそれぞれで時間を取り、最初から最後まで通してドラマーの前で踊ります。
ダンスのそれぞれの振りに合わせた太鼓を叩いてダンスをリードするのは主にジェンベドラマーの役目。
アフリカンのジェンベダンスのクラスではジェンベドラマーが合図を出し、ダンスのそれぞれの振りに合わせたフレーズを叩いてダンスをリードします。
このように、アフリカンではダンサーとドラマーがお互い影響を与え合って演奏することが特徴です。
その中にあって特にアフグルのワークは、上で書いたように”自分とドラマー”という形・関係性で踊ることを重視するクラスでした。
それは、全員で踊るのではなく、常にダンサーが数人または一人でドラマーと向き合うということで実現されていました。
自分のダンスの為の演奏で踊るというのは、とても盛り上がるものです。
グループワーク一日目はそのような形で、マリリズムであるマラカとサンジャを習いました。
ほとばしり出たダンサーの感想
翌朝の日曜日、グループワークの2日目にそれは起こりました。
朝ごはんを食べるためにタリベのメンバーで集まったとき、何やらダンサーが興奮気味に話をしていました。
近寄ってみると、その内の一人が一言
「みんなで話してたんですけど、もじゃさんは武田さんに弟子入りした方がいい」
周りから同意の声。
・・・え?
何の話・・・?
弟子入り?
みんなで話してた?
“みんなで”って・・・それほどまでに?
話をよく聞いてみると、
“武田さんの太鼓は踊っているときに安心感が凄くある”
とのこと。
そうなんだ。
何カ月も一緒に叩いてきて、分からなかった・・・orz
いつかのタリベの合宿で、ダンサーとドラマー1対1のフィードバックをしようという練習がありました。
そのときに一人のダンサーに「もうちょっとダンス見てくれた方がいいかなと思います」と言われて、
「見てるし!」
と思ったことをぼんやりと思い出しました。
ダンスに合わせて叩くことがすごく好きでしたし、自分のジェンベ演奏にはかなり自信を持っていたのですが・・・
その自信はちょっと置いておこう、と思いました。
ジェンベを叩くとその人のいいところが出るという話を前にしました。
僕には「空気が読めない」とか「自分の楽しいことをひたすらやる」という性質がありますが、それが良い意味で出ていたとしても、それはダンサーの安心感にはそこまでつながっていなかったのでしょう。
アフリカンではやっぱりダンスを盛り上げたい
アフリカンの楽しさはいくつもありますが、やはりダンスと一緒に演奏するその瞬間のお互いに楽しんで盛り上がる時間は格別です。
その楽しみを十分引き出せなかったとしたら、やっぱりもったいない。
アフリカングルーヴはノリ、グルーヴを追求しているチーム。
そして、ダンスクラス一筋で何年もやってきたチーム。
今まで凄さを分からなかったのは、彼らが僕とは別次元の演奏をしていたからだということが、この後徐々に分かっていくことになります。
アフリカン界には、僕より先輩のドラマーが他にも何人もいます。
そして、ダンスと一緒に叩き続けてきた人はやはり無理なくスイッと雰囲気を上げていくことができます。
また、先輩でなくとも、そういう人がいます。
そういうところを学びたくてダンスクラスに叩きに行っているところが僕にはあります。
踊れる、踊りたいという気持ちを引き出すような演奏。
ノリ、技術、音色、姿勢・・・どう叩くか。
ダンスをどう見るのか。
どんな気持ちをもって叩くのか。
考えることは山ほどある上に、自分を客観的に見る必要もある。
このエピソードで、ダンサーからの感想によって自分の位置がなんとなく分かったことは、とても有り難かったです。
ダンスを盛り上げるドラマーになるための旅は、まだ始まったばかりなのでした。
以上、もじゃでした。
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